交渉人

早めの夏休みが終わったあたりからプチ人嫌いが続いているのですが、今週は特にそれが極まっていた一週間でした。昼食も夕食も、同期の誘いを断って一人で食べてました。今日は金曜で、当然飲みの誘いもあるわけですが、それも断ってさっさと帰っちゃいました。自分でも何故そういう状態なのかはわからないのですが、なんとなく話したくない気分。前にテレビ番組で東野幸治が、「8月はなぜか『あ゛ー』って叫びたい気分になる」って言っていて、激しくそれに共感しました。理由はわからないけど、まさにそれ。んー、でも来週からはがんばろう。最近付き合い悪いよと同期に言われがちなのはまずい。同期は大切にしなくちゃ。
今日は五十嵐貴久の「交渉人」を読みました。犯人達と交渉をする警察側の人間、いわゆるネゴシエーターが主人公の話です。五十嵐貴久は、この間読んだ、「1985年の奇跡」の作者で、1985年の奇跡を気に入った僕としては当然この小説にも同じような要素、つまり、会話の面白さや王道的なストーリーと感動を期待していたのですが、この小説、交渉人は全くの別物でした。いえ、王道と言えば王道。事件が起きて、それを解決に導いていくという王道、もとい、ありきたりな話。しかも、交渉人の言うことがあたりすぎていたりするご都合主義なうえ、トリック的なものも単純過ぎてミエミエ。
ああ、「1985年の奇跡」が面白いと感じたのは、単に僕が青春物を好きだからなのかな。ああいう設定が好きなだけで、作者の力があるとかそういうわけではないんだな。話の4分の3が終わり、がっかりとしながら残りを惰性で読み始めようとしていたところ、どんでん返しがありました。う〜ん、そうきたか! ばっちりエンターテイメント作品に仕上げてくれてました。これならOK。いやー、作家はやっぱりすごいや。

交渉人 (幻冬舎文庫)

交渉人 (幻冬舎文庫)