ゼロの使い魔

ゼロの使い魔にはまっています。
今期から始まったアニメを見ていて原作を読みたいと思っていたところに、同期が「持ってるから貸すよ」と声をかけてくれたのでお言葉に甘えて借りてしまいました。で、おもしろいです、これ。
一番の魅力はヒロインのツンデレっぷり。最近のツンデレブームにより巷は様々なツンデレキャラで溢れかえっていますが、この小説のヒロイン、ルイズこそが正統なツンデレキャラと言ってしまっても過言ではないのではないでしょうか。ツンデレについて語ると長くなりそうなので多くは語りませんが、ツンデレ好きならまず読むべき小説です。
そして、この人の文章がうまいのも魅力の一つ。灼眼のシャナを買っている僕ですが、正直あの小説は文章がよろしくありません。それでも買っているのは、キャラクターがいいのと……惰性です。一方で、ゼロの使い魔の文章はおもしろいです。セリフや妄想はとんでたりしますが、地の文は単調でおもしろみはありません……が、それがセリフなどを邪魔しない、つまり本来の地の文の役割と言えるものを立派に果たしています。そして、ごちゃ混ぜの世界設定がステキ。剣と魔法の異世界かと思ったら空軍が出てきたり、貴族の心意気を見せてくれたり。
押しむらくべくは、魅力的な悪役がいないこと。フーケのような小悪党、へたれキャラではなく、もっと重苦しい徹底的に悪い存在がいるとよりいっそうおもしろくなると思います。アンリエッタ女王あたりがあのまま狂気に犯されて自国を破滅においやってくれれば味が出たのでしょうが、キャラの立ち位置的にありえない設定なのでしょう。残念。

ゼロの使い魔 (MF文庫J)

ゼロの使い魔 (MF文庫J)