パックマンのゲーム学入門

パックマンのゲーム学入門」を読みました。

パックマンのゲーム学入門

パックマンのゲーム学入門

作者が自分の作ったゲームを褒め称えているのが、なんだか鼻につきます。そりゃ確かにそれだけの実績があるのでしょうが、なんの話をするにしても自分のゲームがいかに素晴らしいかをまず述べるのは正直どうかと思います。これがマリオならば僕も十分納得できるのですが、ほとんどプレイしたことのないパックマンとなると「はあ、そうなんだ」という感想しかもてませんし……。
「今の人はゲームしかしていないからダメだ」といった説教臭い中身も多いのですが、実際に作っていた本人が書いているため「なるほど」とうなずけてしまいます。これが、他人が作った物を例にしていかにもなゴタクを並べる大学教授だったりすると反発心が生まれて本を読むのを辞めてしまうのですがw
後半は宮本繁(マリオ)、小口久雄バーチャロン)、糸井重里(マザー)とその他2名との1対1での対談の様子が載っています。前半もためになるようなことを言っていたと思うのですが、対談の方が面白かったため印象が薄くなってしまいました。特に、糸井重里が作者の「○○○ってことですよね」という問いかけに、「いや、どちらかというと△△△でして」と答える場面が多かったのが印象的でした。当たり前のことですが、やはり人それぞれ考え方は違うんですよね。本を読んで参考にはなりましたが、ゲームを作ることに模範解答なんて存在してなくて、作った結果、良いものができていればそれが正解。トライアンドエラーで、自分なりの作り方を模索するしかなさそうです。広いキャンバスに自由に絵を描けると思うととてもワクワクしますが、感性までどれだけ手間がかかるのかを考えると少しうんざりもします。